これから注文住宅を建てようとお考えの方にとって、どのような家が将来も心地よく過ごせるのかは気になるところではないでしょうか?
せっかくのマイホームも、数年後に「少し古く感じる」と思ってしまってはもったいないですよね。
そうならないためには、これから先の暮らしを見据えたトレンドを把握し、上手に取り入れていくことが大切です。
この記事では、世界的なインテリア見本市であるミラノサローネの情報をもとに、2026年以降に注目される注文住宅のトレンドを10のアイデアに整理してご紹介します。
- 2026年以降に注目される注文住宅の先取りトレンド10選
- 流行を取り入れる際の優先順位や考え方
- トレンドを取り入れながら後悔しない家づくりを実現するコツ
グレージュを基調とした空間づくり

注文住宅のインテリアを考える上で、グレーやベージュを基調とした空間づくりは、今後さらに注目が高まると予測されています。
これらの色は、壁や床、天井、ソファなどに使われることが多く、空間全体に落ち着きと統一感を与えてくれます。
実際にヨーロッパでは、グレージュは数年前から定番となっており、今後もしばらくは人気が続くと見られています。
ミラノで開催された国際的なインテリア展示会「ミラノサローネ」では、黄色みを帯びた木材(栗系や多く系)はほとんど見られず、代わりにグレーやベージュを使った内装が数多く紹介されていました。
取り入れる際の基本は、床や壁など広い面積をグレージュでまとめることです。
さらに、ソファやカーテンなどのファブリックも同系色で統一すると、上品で洗練された印象に仕上がります。
一方で、全体が単調にならないように、ウォールナット系の濃い木材をアクセントに加えるのも効果的です。
ただし、グレージュは選び方によっては冷たく見えることがあるため、素材の質感に配慮することが大切です。
たとえば、ウールやリネンなどの自然素材を組み合わせると、空間にやわらかさと温かみが加わります。
また、木材、布、石材といった異なる素材をバランスよく使うことで、色を抑えながらも奥行きのある空間を演出できます。
グレージュは、流行に左右されにくく、安心して取り入れられるカラーです。
シンプルながらも上質さを感じさせる空間を目指したい方には、特におすすめのベースカラーと言えるでしょう。

これなら流行に左右されず、長く使えそうですね
深みのあるグリーンで洗練された印象に

注文住宅に個性を加えたいときに、深みのあるグリーンをアクセントカラーとして取り入れる方法が注目されています。
ベースカラーがグレーベージュなどの落ち着いた色合いであるほど、濃い緑を差し色に使うことで、空間全体に奥行きと洗練された印象を与えることができます。
実際に、2024年のミラノサローネでは、スターバックスやロレックスのロゴに使われるような、深みのあるグリーンやエメラルドグリーンが数多くのインテリアに取り入れられていました。
こうした色味は重厚感や高級感を演出しやすく、家具や小物のアクセントとして非常に映えるため、トレンドとして長く続く可能性があります。
具体的な取り入れ方としては、ソファのクッションやカップボードの扉、キッチンの天板などに緑を使うのが効果的です。
いずれも広すぎない面積での使用となるため、初めての方でも取り入れやすく、空間に自然と個性を与えることができます。
また、布製のアイテムとの相性が良いため、ウールやコットンなどの柔らかい素材でまとめると、より洗練された雰囲気になります。
なお、緑は強く印象に残る色のため、他の主張が強い色との組み合わせには注意が必要です。
特に、オレンジとの併用は避け、どちらか一方に絞ることで統一感のある空間に仕上がります。
素材や使う位置を考えながら、色のバランスを整えることがポイントです。
落ち着いた雰囲気と上質さを両立させたい方にとって、深みのあるグリーンは非常に魅力的な選択肢です。
ベースカラーとのコントラストを楽しみながら、トレンドを先取りした空間づくりにぜひ活用してみてください。

グリーンって難しそうだけど、差し色なら取り入れやすそうです
レザー素材のオレンジで高級感をプラス

2026年以降の注文住宅で注目されているトレンドのひとつが、エルメスのような鮮やかなオレンジ色を使った素材のインテリアです。
レザーの持つ重厚感と、温かみのあるオレンジの色味が組み合わさることで、空間に高級感と華やかさを加えることができます。
このトレンドは、家具やインテリアの一部にオレンジ色を差し色として取り入れることを基本としています。
特に、ソファの背もたれや収納扉など、比較的コンパクトな面積に使われるケースが多く、部屋全体を主張しすぎずに個性を演出できるのが特徴です。
また、レザー素材ならではの光沢感や質感が、空間全体に引き締まった印象を与えます。
同じオレンジでも、布素材に比べて視覚的な“質”の高さが伝わりやすく、上品な雰囲気をつくり出しやすいという利点があります。
ただし、オレンジは視認性の高い色のため、色のバランスや素材の組み合わせには注意が必要です。
とくに、前項で紹介したグリーンとは基本的に併用されず、緑かオレンジかのどちらか一方を選ぶスタイルが一般的です。
緑はファブリック、オレンジはレザー、と素材も明確に分かれているため、素材と色の組み合わせを意識することで統一感のある空間を実現できます。
温かみと上質さを兼ね備えた空間をつくりたい方や、洗練された個性を表現したい方にとって、レザー×オレンジは非常に魅力的な選択肢です。
人と違うスタイルを目指したいと考えている方には、まさにぴったりのアクセントカラーと言えるでしょう。

素材で印象がガラッと変わるんですね
アクセントで映える黄色や赤の取り入れ方

注文住宅にさりげない華やかさを加えたいときに、黄色や赤のような明るい色をワンポイントで取り入れる方法が効果的です。
これらの色は、空間の印象を大きく変える力がありますが、使いすぎると視覚的な圧迫感につながるため、あくまでアクセントとして取り入れることがポイントです。
2026年以降に注目されている黄色は、映画「バンブルビー」に登場するような濃くて存在感のある黄色や、からし色に近い少し落ち着いた色味です。
一方で、マツモトキヨシのロゴのような明るすぎる黄色はトレンド外とされており、落ち着きのある色調が好まれる傾向にあります。
また、赤(シ色)についても、強めの赤みを持ちつつやや深みのある色合いが主流で、軽やかさよりも重厚感を意識した色選びがトレンドとされています。
具体的には、サイドボードや飾り棚、テレビ台、あるいはクッションや小物類など、面積の小さい部分で使うのが効果的です。
色が映える位置を選んで配置すれば、空間全体の印象を引き締めながら、華やかさも演出できます。
このカラーの特徴は、他のトレンドカラーと自由に組み合わせやすい点にあります。
たとえば、ベースカラーにグレーベージュを使い、アクセントに緑やオレンジ、そこに加えて黄色や赤をポイント的に配置することで、統一感を損なわずにメリハリのある空間が完成します。
アクセントカラーとして黄色や赤を取り入れることで、シンプルになりすぎないデザインを実現しやすくなります。
空間にリズムを加えたい方や、ちょっとした遊び心を加えたい方にとって、取り入れやすく効果的な選択肢と言えるでしょう。

小さい面積なら気軽にチャレンジできそう!
海外で注目される和モダンな日本テイスト

2026年以降の住宅トレンドにおいて、静かで落ち着きのある“和”のテイストが、海外でじわじわと注目を集めています。
これは、日本人がイメージする「洗練された和モダン」とは少し異なり、お盆やお椀のような、どこか懐かしさを感じる色合いや質感が評価されているのが特徴です。
具体的には、茶器や漆器のような深みのある茶色、黒、赤みがかった朱色など、地味ながらも味わいのある色使いが多く見られます。
また、家具や建具には、和紙を思わせる柔らかな質感や、木目を活かした仕上げが好まれており、素材感にこだわった構成が目立ちます。
このトレンドの背景には、華やかさや派手さとは違った“静けさ”や“余白”に価値を感じる文化的感性があります。
とくに海外では、無機質でモダンな空間が主流だった反動として、和のもつ素朴な佇まいが「新しい」として受け入れられている側面があります。
一方で、これはトレンド全体の中でもまだ限定的な動きであり、全体の1~2割程度にとどまっているという点も押さえておく必要があります。
そのため、家全体を和風にするのではなく、あえて一部に取り入れてコントラストを楽しむスタイルが実践しやすく、現代の住宅にもなじみやすい選択肢です。
空間に静けさと深みを加えたい方にとって、和の要素はとても相性が良く、上質なアクセントとなります。
大量生産の洋風デザインでは物足りないと感じる方には、ぜひ取り入れていただきたいテイストです。

小さい面積なら気軽にチャレンジできそう!
再注目のラッカー塗装でツヤ感を演出

かつては古臭いと思われがちだったラッカー塗装ですが、2026年以降のインテリアトレンドとして、再び注目を集めています。
ラッカー塗装とは、ピアノのように表面がツヤツヤと輝く鏡面仕上げのことで、空間に洗練された存在感をもたらしてくれる仕上げ技術です。
このトレンドが再評価されている理由のひとつは、金属素材との組み合わせによる統一感の演出にあります。
特に、アルミやステンレスの脚部と合わせた家具では、異素材ながらもバランスのとれたデザインに仕上がる事例が多く見られます。
単体ではやや主張が強いラッカー塗装も、素材同士の“リレーション(共通項)”を意識することで違和感が抑えられ、自然に空間になじみます。
具体的な使い方としては、キャビネットの扉やサイドボード、テーブルの脚・天板など、限られた面積に部分的に取り入れるのが効果的です。
とくに照明が当たる位置に配置することで、光沢の美しさが引き立ち、高級感のあるアクセントとして活躍します。
ただし、ラッカー塗装は見た目の印象が強いため、全体のバランスを考えた配置が重要です。
他の家具との色味や質感をリレーションさせることで、統一感を持たせながら個性を表現できるインテリアになります。
人と同じデザインでは物足りない、オンリーワンの住まいに仕上げたいという方にとって、ラッカー塗装は非常におすすめの選択肢です。
あえて“ツヤ”を取り入れることで、空間にメリハリと品格を加えることができます。

光沢のある素材って一気に高級感が出ますね
曲線ソファと台座で動きのあるリビングに

2026年以降のリビングデザインでは、直線的なソファ配置から一歩進んだ“曲線レイアウト”がトレンドとして注目されています。
従来のように壁に沿ってまっすぐ置くのではなく、ソファをゆるやかな曲線に配置することで、空間に柔らかさとリズムが生まれます。
このトレンドが支持されている理由は、機能性とデザイン性の両立にあります。
曲線で構成されたソファは、視覚的にやさしく、リビング全体に包まれるような安心感をもたらすだけでなく、単調な空間に動きをつける効果もあります。
実際の取り入れ方としては、ソファとソファの間に台座(ローテーブルのような役割)をかませる方法が多く使われています。
この台座には、飲み物や本などを置ける実用性がありつつ、空間をつなぐ“ハブ”としての役割も担います。
また、台座にラッカー塗装を施すことでツヤ感を加えれば、トレンド性と高級感の両方を演出できます。
注意点としては、曲線ソファはある程度の広さがある空間でこそ映えるため、設置には間取りとのバランスを確認することが重要です。
ただし、スペースに余裕があれば、市販のモジュール型ソファを活用することで比較的自由なレイアウトも可能になります。
大空間をおしゃれに見せたい方、またはホテルライクな非日常感を演出したい方にとって、曲線ソファと台座の組み合わせは理想的な選択肢です。
シンプルな配置に物足りなさを感じる方は、ぜひリビングに“動き”を加えてみてください。

カフェっぽい雰囲気が好きな人にはすごく合いそうです
ブークレ生地で北欧テイストを実現

近年注目を集めているファブリック素材のひとつが“ブークレ生地”です。
2026年以降もこの流れは続くと予測されており、北欧風やナチュラル系の住宅デザインを好む方にとって、欠かせない素材のひとつになっています。
ブークレ生地とは、羊毛のように表面がモコモコとした質感をもつ、立体的で柔らかい布地のことです。
この素材が人気を集めている理由は、空間にやさしさと温かみを与えてくれる効果が高いからです。
特に、モダンなインテリアに偏りすぎると無機質な印象になりがちですが、ブークレ生地を用いることで適度なやわらかさと居心地の良さが加わります。
使用される場面としては、ソファやラウンジチェア、ダイニングチェアの張地として使われるケースが主流です。
生地自体に存在感があるため、シンプルなフォルムの家具でも空間の印象を大きく変える力があります。
また、北欧テイストの空間づくりでは、ブークレの質感が木材やグレーベージュの配色と非常に相性が良く、統一感を生み出しやすい点も魅力です。
ただし、ブークレ生地は見た目のやわらかさとは裏腹に、汚れがつきやすくメンテナンスにはやや注意が必要です。
特に白やベージュ系を選ぶ場合は、汚れ防止スプレーやカバーの活用など、日常の工夫が求められます。
それでも、居心地のよさや視覚的なやさしさを重視した空間にしたい方にとって、ブークレ生地はとても魅力的な選択肢です。
北欧インテリアのような“暮らしに溶け込むデザイン”を求めている方にぴったりの素材です。

見た目もかわいくて、触り心地も良さそう!
ピンクと緑の組み合わせで個性的なキッチンに

2026年以降、キッチンの配色において注目されているのが、ピンクとグリーンという一見意外な色の組み合わせです。
現地・ヨーロッパではこのカラーリングが多く見られるようになっており、違和感のない調和と、遊び心あるデザインが高く評価されています。
この配色が注目される背景には、トレンドに敏感な層の中で「他とは違う個性」を求める声が強まっていることがあります。
特に、住宅の中でも目を引くキッチン空間で大胆な色を取り入れることで、空間全体に印象的なアクセントを加えることができます。
実際の例としては、キッチン天板に深い緑を使い、収納扉や引き出しにやわらかいピンクを取り入れるスタイルがよく見られます。
このように部位ごとに色を分けることで、強い色同士であっても違和感なく調和させることが可能になります。
グリーンには重厚感、ピンクには柔らかさがあり、機能性とデザイン性を両立した配色といえるでしょう。
また、このトレンドは家具ではなく「キッチン」という固定設備に取り入れられている点でも特徴的です。
そのため、長く使っても飽きのこない配色バランスや、全体のインテリアとの調和を考えることが重要になります。
個性的な色使いを楽しみたい方、SNS映えするおしゃれな空間を目指したい方にとって、ピンクとグリーンの組み合わせは非常におすすめです。
単なる流行にとどまらず、暮らしの中に「デザインの楽しさ」を持ち込みたい方にぴったりの配色です。

この配色、SNSで映えること間違いなしです!
色を変えたカップボードと隠し扉の融合
キッチンとカップボードの色味をあえて変えるという、従来の常識を覆す手法が2026年以降の住宅デザインで注目されています。
これまでは「同じ色で揃えて統一感を出す」ことが一般的でしたが、現在はあえて違う色を使い、空間に“色のリズム”を生むスタイルが広がりを見せています。
このトレンドは、単なる配色の自由度を広げるだけでなく、収納の見せ方そのものにも新しい発想をもたらしています。
特に話題を集めているのが、リブ付きの隠し扉を使ってカップボードを壁に溶け込ませるテクニックです。
リブとは、縦方向の細かな凹凸デザインのことで、壁材と同じ仕上げにすることで収納の存在感を限りなく薄くできるため、生活感を出さずに機能性を保つデザインとして評価されています。
こうした手法は、キッチンの開放感を損なわずに収納量を確保したいときにも有効です。
たとえば、キッチン本体はグリーン系、カップボードはベージュ系というように、空間全体に抑揚をつけつつ、背面の収納はリブ付き扉で視線を遮るといったコーディネートが人気です。
注意点として、リブ加工や隠し扉の施工には技術とコストがかかるため、すべての住宅に適しているわけではありません。
しかし、空間としての完成度や満足度は非常に高く、費用をかける価値のある選択肢であることは間違いありません。
他にはない空間を演出したい方や、生活感を徹底的に抑えた洗練されたキッチンを求める方には、まさに理想的なデザイン手法です。
将来の住まいづくりに個性と上質さを求めるなら、ぜひ検討してみたいアイデアのひとつです。
どう選ぶ?取り入れ方と優先順位の考え方
これまでご紹介してきたように、2026年以降の注文住宅には多彩なトレンドが存在しています。
ただし、それらをすべて取り入れる必要はありません。むしろ、自分たちの暮らしや予算に合ったものを取捨選択することが、後悔のない家づくりの第一歩です。
取り入れる順番としておすすめなのは、まず「色」→「素材」→「レイアウト」の順で検討する方法です。
色は視覚的に大きな影響を与えるため、壁紙やカーテン、クッションなどの小さな要素から変えていくことで、空間全体の印象をつかみやすくなります。
次に、素材や質感で変化をつけ、最後にソファの形やキッチンの配置など、間取りに関わるレイアウト面を調整していくと、無理なく自然な導入が可能になります。
例えば、「深みのあるグリーンが気になるけれど、いきなりキッチンに取り入れるのは不安」という場合は、まずはクッションや壁面の一部にアクセントカラーとして取り入れてみるのが効果的です。
徐々に慣れていくことで、空間全体の調和や自分たちの好みに気づきやすくなります。
大切なのは、“流行だから”ではなく、“自分たちの生活スタイルに合っているか”を基準に選ぶことです。
特に注文住宅では、暮らし始めてからの心地よさや使いやすさが何よりも重要です。
トレンドはヒントにはなりますが、正解は一つではありません。
「これはいいな」と思えるものを少しずつ取り入れることで、自分たちだけの空間を形にしていく楽しさを、ぜひ味わってください。
まとめ
この記事では、2026年以降に流行すると予測される注文住宅のトレンド10選と、その取り入れ方の考え方について解説してきました。
これらのアイデアはすべて取り入れる必要はなく、色・素材・レイアウトの順で優先順位をつけながら、自分たちの生活に合うものを選ぶことが成功のカギです。
「流行っているから」ではなく、「この空間でどう暮らしたいか」を基準に選ぶことで、後悔の少ない住まいづくりが実現できます。
トレンドを知った今こそ、自分たちの理想の暮らしをより鮮明に思い描けるタイミングです。
少し先の未来を見据えながら、他とは違う、自分たちらしい注文住宅づくりに一歩踏み出してみてください。

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