注文住宅のダブル断熱とは？メリット・デメリットとおすすめハウスメーカーを解説

注文住宅を検討していると、「ダブル断熱」という言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。一般的な断熱工法と比べて断熱性能が高いとされていますが、実際にどれほどの効果があり、本当に採用すべきなのか疑問に思う方も多いはずです。

「高断熱住宅は光熱費を抑えられる」と言われるものの、ダブル断熱を導入するには初期コストが高くなります。また、ハウスメーカーごとに断熱仕様が異なるため、どの工法を選ぶべきか悩んでしまう方も少なくありません。

ダブル断熱は確かに施工コストが高くなりますが、その分冷暖房費を抑えられ、快適な室内環境を維持しやすいという大きなメリットがあります。正しく施工されれば、長期的に見て経済的な選択肢となる可能性が高いです。

本記事では、ダブル断熱の仕組み、メリット・デメリット、採用しているハウスメーカーの比較、施工時の注意点について詳しく解説します。この記事を読めば、ダブル断熱が本当に自分にとって必要なのか、どのハウスメーカーを選ぶべきかを判断できるようになります。

ダブル断熱とは？

住宅の断熱性能は、快適な住環境を維持し、冷暖房費を抑えるうえで重要な要素です。その中でも「ダブル断熱」は、断熱性を大幅に向上させる工法として注目されています。

しかし、「シングル断熱と何が違うのか？」「コストが高いと聞くけれど、本当に採用する価値があるのか？」と疑問を持つ方も多いでしょう。

ここでは、ダブル断熱の仕組みやシングル断熱との違いを詳しく解説し、どんな人に向いているのかを整理していきます。

ダブル断熱の基本的な仕組み

ダブル断熱とは、充填断熱（内断熱）と外張り断熱（外断熱）を組み合わせた二重構造の断熱工法です。

それぞれの特徴を活かしながら、断熱性能を大幅に向上させることができます。

• 充填断熱（内断熱）：壁の内側（柱と柱の間）に断熱材を詰め込む工法。一般的な住宅で多く採用されている方法。
• 外張り断熱（外断熱）：建物の外側を断熱材で包み込む工法。熱橋（ヒートブリッジ）の影響を抑え、外気温の影響を受けにくくする。

この二重構造により、断熱性が向上するだけでなく、結露を防ぎ、住宅の耐久性を高める効果も期待できます。

ダブル断熱で使用される主な断熱材

ダブル断熱の性能は、使用する断熱材の種類によっても変わります。

断熱材の種類	特徴	メリット	デメリット
高性能グラスウール	価格が比較的安価で施工しやすい	コストパフォーマンスが高い	湿気に弱く、施工精度が求められる
ウレタンフォーム	発泡して隙間なく施工可能	高い気密性・断熱性	施工時の管理が難しく、コストが高め
フェノールフォーム	非常に高い断熱性能を持つ	断熱等級7の家にも対応可能	価格が高め
EPS断熱材	断熱性が高く、外張り断熱に適している	耐久性があり長期間の劣化が少ない	施工の難易度が高い

断熱材の選定によっても性能やコストが変わるため、建築計画の際には適切な素材を選ぶことが重要です。

シングル断熱とダブル断熱の違い

シングル断熱とダブル断熱には、断熱性能やコスト、施工方法などに違いがあります。それぞれの特徴を比較して、最適な断熱方法を選びましょう。

	シングル断熱（充填断熱のみ）	ダブル断熱（充填＋外張り）
断熱性能	標準的	非常に高い（UA値が低くなる）
冷暖房効率	ある程度効果あり	室温を一定に保ちやすく、光熱費を削減しやすい
結露リスク	壁内結露の可能性あり	結露を抑制し、家の寿命を延ばせる
建築コスト	比較的安価	高コスト（施工費・材料費が増える）
施工期間	短い（工法がシンプル）	長くなる可能性あり（工程が増えるため）
防音効果	標準的	遮音性が高く、外部の騒音を軽減できる
適している地域	温暖地（関東・関西など）	寒冷地（北海道・東北など）

シングル断熱の方が適しているケースもある
ダブル断熱は高い断熱性能を持つ一方で、コストが高く、施工期間が長くなるというデメリットもあります。そのため、温暖な地域では、シングル断熱＋高性能な窓や換気システムを組み合わせることで、十分な断熱性能を確保できる場合もあります。

ダブル断熱が向いている人

ダブル断熱の採用を検討すべき人の特徴をまとめました。

寒冷地に住んでいる人（北海道・東北など）

寒冷地では冬の寒さが厳しく、一般的なシングル断熱では室内が十分に暖まらないことがあります。

また、雪の多い地域では「ヒートショック対策」としても有効です。室内の温度を一定に保ちやすくすることで、急激な温度変化を防ぎ、健康リスクを軽減できます。

断熱等級7の家を建てたい人

断熱等級7は、国が定める最高レベルの断熱基準（HEAT20 G3相当）に対応するものです。

高性能な住宅を求める人には、大きなメリットがあります。

また、断熱性能が高い家は、補助金制度の対象になる場合が多く、住宅ローン減税などの優遇措置を受けられる可能性があるため、コスト面でのメリットも考慮する価値があります。

冷暖房費を抑えたい人

例えば、冬の暖房費や夏の冷房費が削減されることで、年間の光熱費が大幅に抑えられるケースもあります。

例えば、ダブル断熱を採用した住宅では、一般的なシングル断熱の住宅と比べて年間の光熱費が20％～30％削減できるというデータもあります。（※住宅の仕様や地域によって異なります）

結露・カビ対策を重視したい人

シングル断熱の場合、室内外の温度差によって壁の内部に結露が発生しやすく、カビや木材の腐食につながるリスクがあります。

また、結露が発生しにくくなることで、アレルギーや健康リスクの軽減にもつながるため、小さな子どもや高齢者がいる家庭にも向いています。

ダブル断熱のメリット・デメリット

ダブル断熱は、内断熱（充填断熱）と外断熱（外張り断熱）を組み合わせた工法で、断熱性能を向上させ、快適な住環境を実現します。しかし、建築コストや施工の難易度といったデメリットもあるため、採用する際は慎重に検討する必要があります。

ここでは、ダブル断熱のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット①断熱性能が高く、1年中快適（UA値が低い）

ダブル断熱は、外気の影響を受けにくいため、冬は暖かく、夏は涼しい快適な住環境を実現します。

特に、寒冷地では室温を一定に保ちやすく、ヒートショック対策としても有効です。

ダブル断熱を採用した場合のUA値の目安（地域別）

地域区分	UA値（シングル断熱）	UA値（ダブル断熱）
北海道・東北（寒冷地）	0.46～0.56	0.2～0.3
関東・中部（温暖地）	0.6～0.87	0.4～0.5
九州・四国（温暖湿潤地）	0.87～1.0	0.5～0.7

このように、ダブル断熱を採用することでUA値が向上し、冷暖房効率が大幅に改善されるため、省エネ住宅を目指す方に適しています。

メリット② 冷暖房費を削減できる（光熱費削減シミュレーション付き）

ダブル断熱の住宅は、断熱性能が高いため、エアコンや暖房の使用頻度が減り、光熱費を削減できます。

光熱費のシミュレーション（年間）

住宅の種類	年間光熱費（暖房・冷房）
シングル断熱の家	約18～25万円
ダブル断熱の家	約10～15万円
削減効果	約8～10万円（30～40％削減）

※住宅の仕様や使用状況によって異なります。

長期的に見れば、光熱費の削減によって初期投資の回収が可能となるケースも多く、月々のランニングコストを抑えたい方にとっては大きなメリットです。

メリット③結露を防ぎ、家の耐久性を向上（カビ・腐食防止）

ダブル断熱は、壁内の温度差を緩和することで、壁内結露を抑え、カビや木材の腐食を防ぐ効果があります。

特に以下の環境では、ダブル断熱による結露防止効果が大きくなります。

• 寒冷地（北海道・東北地方）：外気温と室内温度の差が大きく、結露が発生しやすい。
• 湿度の高い地域（日本の沿岸部など）：梅雨時や冬場に湿気がこもりやすい。

長期的に家の耐久性を維持し、メンテナンスコストを抑えるためにも、結露対策を重視したい人に向いている工法です。

メリット④防音性能が向上（外の騒音を軽減）

ダブル断熱は、二重の断熱層があるため、外部からの騒音を効果的に遮断できます。

ダブル断熱の遮音性能の目安（外部騒音）

騒音レベル	シングル断熱	ダブル断熱
一般的な交通音（50～60dB）	30～40dB	20～30dB
騒がしい道路沿い（70dB以上）	40～50dB	30～40dB

特に、交通量の多い道路沿いや、都市部に住む人には、防音効果が大きなメリットとなります。

メリット⑤資産価値が高まり、将来的な売却時にも有利

ダブル断熱を採用した住宅は、高性能住宅として評価されるため、資産価値が向上しやすい傾向があります。

特に、断熱等級7（HEAT20 G3基準）に対応している住宅は、今後の住宅市場において高い評価を受ける可能性が高いため、将来的に売却する際も有利です。

また、エネルギーコストの削減や快適性の向上を理由に、ダブル断熱を求める購入者が増えているため、資産価値を重視する方にも適しています。

デメリット①初期コストの増加

ダブル断熱は、内断熱と外断熱の両方を施工するため、材料費や施工費が増加します。

建築コストの比較（坪単価）

断熱仕様	坪単価（目安）
シングル断熱	60～80万円
ダブル断熱	70～100万円
価格差	＋10～20万円（1坪あたり）

たとえば、延床面積30坪の住宅の場合、総額で300万～600万円のコスト増加となるケースもあります。初期費用を抑えたい人にとっては、大きな負担になる可能性があるため、補助金制度の活用も検討が必要です。

デメリット②施工ミスがあると効果が半減（施工業者選びが重要）

ダブル断熱は、施工の精度が求められるため、技術力のある施工業者を選ぶことが非常に重要です。

施工ミスが発生するとどうなる？

• 断熱材の隙間が生じる → 気密性が低下し、断熱性能が落ちる
• 通気層の確保が不十分 → 結露の発生リスクが高まり、カビの原因になる
• 施工不良で剥がれが発生 → 長期的な断熱性能の低下

施工業者によっては、ダブル断熱の施工経験が少ない場合もあるため、実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが重要です。

デメリット③地域によってはオーバースペックになる可能性

ダブル断熱は寒冷地や省エネ住宅を求める人に適した工法ですが、温暖な地域では必ずしも必要とは限りません。

地域別の適正断熱

地域	ダブル断熱が適しているか？
北海道・東北（寒冷地）	必須レベル
関東・中部（温暖地）	コスト次第で検討可
九州・四国（温暖湿潤地）	過剰な場合がある
沖縄（亜熱帯地域）	基本的に不要

ダブル断熱は、高い断熱性能を持つため寒冷地では大きなメリットがありますが、比較的温暖な地域では必ずしも必要とは限りません。

たとえば、関東や関西などの温暖地では、シングル断熱に高性能な窓や遮熱性の高い屋根材を組み合わせることで、十分な断熱性能を確保できる場合があります。

また、九州・四国のような温暖湿潤地域では、断熱よりも遮熱対策の方が重要になるケースも多く、屋根や外壁に遮熱塗料を使用したり、軒や庇（ひさし）を設けることで快適な住環境を作れる可能性があります。

沖縄などの亜熱帯地域では、気温が高いだけでなく湿度も高いため、断熱よりも通風や日射遮蔽を考慮した設計が優先されることが一般的です。 このような地域では、ダブル断熱を採用するとコストがかさむだけでなく、屋内に熱がこもる可能性があるため、注意が必要です。

そのため、ダブル断熱を検討する際には、地域の気候特性を考慮し、断熱と遮熱のバランスを取ることが重要です。

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ダブル断熱を採用しているおすすめハウスメーカー

ダブル断熱を採用しているハウスメーカーは多数ありますが、その中でも断熱等級7に対応した高性能な住宅を提供するメーカーを厳選しました。各社の断熱工法の特徴や採用している断熱材の違いを詳しく解説します。

一条工務店｜国内トップクラスの断熱性能

一条工務店は、住宅の断熱性能において業界トップクラスの水準を誇るハウスメーカーです。

「家は、性能。」を掲げ、すべての住宅でダブル断熱を標準採用しています。

特に寒冷地に適した住宅性能を持ち、年間を通じて快適な室内環境を実現できます。

採用されている断熱工法

一条工務店では、「外内ダブル断熱構法」を採用し、内断熱と外断熱の両方で家を包み込む設計を採用しています。

外断熱には厚さ50mmの断熱材を使用し、内断熱には140mmの高性能ウレタンフォームを充填しています。これにより、一般的な住宅と比べて2倍以上の厚みのある断熱層を形成し、高い気密性と断熱性を実現しています。

特徴的な設備と技術

一条工務店の住宅は、全館床暖房を標準装備しています。

床下に温水パイプを敷設することで、冬場でも家全体を均一に暖めることが可能です。一般的なエアコン暖房と比べて、部屋ごとの温度ムラが少なく、足元からじんわりとした暖かさを感じられます。
また、高性能換気システム「ロスガード90」を採用し、外気を取り入れる際に熱交換を行うことで、室内温度を一定に保つ効果があります。

どんな人におすすめか

寒冷地に住んでいる人や、高気密・高断熱の家を求める人に最適です。
年間の光熱費を抑えたい人や、全館床暖房のある快適な暮らしを求める人にも向いています。

住友不動産｜耐火性能にも優れた断熱工法

住友不動産は、高い断熱性能と耐火性能を兼ね備えた住宅を提供するハウスメーカーです。

「内外ダブル断熱」を採用し、夏も冬も快適な温度を保つだけでなく、火災時の安全性も向上させています。

採用されている断熱工法

住友不動産の「内外ダブル断熱」は、内断熱に高性能グラスウール、外断熱にフェノールフォームを使用しています。

グラスウールは断熱性とコストのバランスが良く、広く普及している素材ですが、フェノールフォームは耐火性と断熱性能の両面で優れているため、火災時の延焼リスクを軽減できます。

特徴的な設備と技術

高気密・高断熱な住宅設計により、冷暖房効率を向上させるとともに、結露の発生を防ぐ設計になっています。

また、住友不動産の住宅はデザイン性が高く、外観や間取りの自由度が高いのも特徴です。

どんな人におすすめか

火災対策を重視する人や、コストを抑えながら高性能な住宅を建てたい人に向いています。

ダイワハウス｜木造住宅でも高い断熱性能

ダイワハウスの「xevoGranWood」は、木造住宅でありながら高い断熱性能を確保できるダブル断熱工法を採用しています。

また、湿気をコントロールする「さらら換気」システムを備え、冬は暖かく、夏は湿気を抑えて快適な空間を作ることに特化した住宅です。

採用されている断熱工法

ダイワハウスのxevoGranWoodは、木造住宅の特性を活かしたダブル断熱仕様です。

標準仕様でも高断熱ですが、オプションとして断熱等級7に対応する追加仕様が用意されています。

特徴的な設備と技術

ダイワハウスの特徴は、湿気を適度にコントロールする換気システムにあります。

「さらら換気」は、外気の湿度を調整して取り込み、梅雨時や夏場の湿気を抑えることで、結露やカビの発生を防ぐ仕組みになっています。

どんな人におすすめか

木造住宅にこだわりたい人や、湿気対策を重視する人に適しています。

アイ工務店｜コストパフォーマンスに優れた断熱住宅

アイ工務店は、コストを抑えながらも高い断熱性能を実現する「オリジナルダブル断熱工法」を採用しています。

断熱性能を確保しつつ、比較的リーズナブルな価格で提供されるため、コストと性能のバランスを重視する人に適しています。

採用されている断熱工法

アイ工務店では、外断熱30mmと内断熱80mmのフェノールフォーム＋発泡ウレタンを組み合わせた工法を採用しています。

発泡ウレタンは、隙間を埋める効果が高く、気密性の向上に貢献します。

特徴的な設備と技術

コストを抑えながらも、高い断熱性能を実現できる点がアイ工務店の強みです。

また、間取りの自由度が高く、顧客の要望に応じた柔軟な設計が可能です。

どんな人におすすめか

コストを抑えつつダブル断熱の住宅を建てたい人や、間取りの自由度を重視したい人に適しています。

その他のダブル断熱採用ハウスメーカー

以下のハウスメーカーもダブル断熱を採用し、高い断熱性能を提供しています。

ハウスメーカー	断熱工法・特徴
アエラホーム	「W断熱の家」を提供し、高性能な省エネ住宅を実現
アキュラホーム	コストを抑えたダブル断熱仕様の家づくりが可能
ヤマト住建	「高気密・高断熱住宅」として、ダブル断熱を採用
クレバリーホーム	外壁タイル＋ダブル断熱で、耐久性と断熱性を両立
セルコホーム	カナダ基準の高断熱・高気密住宅を提供

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2025年最新の補助金制度

注文住宅の建築やリフォームを検討されている方にとって、最新の補助金制度や税制優遇措置を活用することは、経済的な負担を軽減する重要なポイントです。ここでは、2025年に利用可能な主な支援制度を詳しく解説します。

子育てグリーン住宅支援事業（最大160万円の補助）

2025年には、省エネルギー性能の高い住宅の普及と、子育て世帯や若者夫婦世帯の住環境向上を目的とした「子育てグリーン住宅支援事業」が実施されます。

この制度は、一定の要件を満たす新築住宅やリフォームに対して、最大で160万円の補助金が支給されるものです。

対象となる住宅と補助額

• GX志向型住宅：すべての世帯が対象で、1戸あたり160万円の補助を受けることができます。
• 長期優良住宅・ZEH水準住宅：子育て世帯や若者夫婦世帯が対象で、1戸あたり40万～100万円の補助が提供されます。
• リフォーム：すべての世帯が対象で、内容に応じて1戸あたり最大60万円の補助が受けられます。

申請受付期間

申請受付期間は2025年3月下旬頃から開始予定で、予算上限に達し次第終了となるため、早めの申請が推奨されます。

ZEH住宅への補助金

ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）住宅は、エネルギー消費を抑えつつ、自家発電によるエネルギー供給で家庭内の消費エネルギーを実質ゼロにする住宅です。

2025年もZEH補助金制度の継続が確定しています。

補助金額

• ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）：1戸あたり55万円
• ZEH+（より高度な省エネ住宅）：1戸あたり100万円
• 次世代ZEH：1戸あたり140万円
• 高断熱パネルを導入する場合：1戸あたり追加20万円

補助対象となる住宅

• 断熱性能が一定の基準を満たす住宅
• 再生可能エネルギー（太陽光発電等）を活用し、エネルギー消費量を削減する住宅

ダブル断熱を採用することで、ZEH基準を満たしやすくなるため、補助金の活用が可能になります。

住宅ローン減税の拡充（2025年度版）

住宅ローンを利用する方にとって、2025年も引き続き住宅ローン減税の拡充が行われます。

減税期間は最大13年で、省エネ住宅は優遇措置が適用されます。

控除率は年末の住宅ローン残高の0.7%で、控除限度額は以下のとおりです。

• 長期優良住宅・ZEH住宅：最大5,000万円
• 省エネ基準適合住宅：最大4,500万円
• 一般住宅：最大3,000万円

省エネ性能の高い住宅を建築すると、より大きな減税の恩恵を受けられます。

地域ごとの補助金制度（例：福岡市の場合）

国の補助金とは別に、各自治体が独自に実施する補助金制度もあります。

例えば、福岡市では「子育て世帯住替え助成事業」を実施しており、子育てしやすい環境へ住み替える世帯を対象に、費用の一部を助成しています。

• 対象経費の1/2を助成（上限15万円）
• 親世帯との同居・近居、多子世帯（子ども2人以上）の場合は上限額を加算
• 助成対象となる費用：
  • 中古住宅の購入費
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 引越し費用
• 助成金を利用して住宅を購入する際、住宅ローン「フラット35」地域連携型を活用すると、当初5年間の金利が年0.5%引き下げられる特典。
• 募集期間：2025年4月1日〜2026年2月28日（予算がなくなり次第終了）

このように、各自治体では地域の特性に応じた住宅支援制度を設けています。補助金の内容や条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体のホームページや窓口で最新情報を確認することが重要です。

2025年も、子育て世帯向けの「子育てグリーン住宅支援事業」や、省エネ住宅向けのZEH補助金、住宅ローン減税の拡充が実施されます。さらに、各自治体が独自に行う補助金制度も活用することで、初期費用の負担を軽減しながら、理想の住まいを実現することが可能です。

施工時に気をつけるべきポイント

ダブル断熱を採用する際には、施工の精度や断熱材の選定が非常に重要です。断熱材の種類や施工の方法によって、断熱効果が大きく変わるため、慎重に計画する必要があります。特に施工不良による断熱性能の低下や結露の発生は、家の快適性や耐久性に大きく影響するため、施工のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

断熱材の選定

それぞれの断熱材には特性があり、建築する地域や予算に応じた選定が求められます。

■主な断熱材の種類と特性

断熱材	特徴	メリット	デメリット
フェノールフォーム	硬質の樹脂系断熱材	断熱性能が非常に高く、耐久性に優れる	コストが高め
セルロースファイバー	再生紙を原料とした天然系断熱材	調湿性能があり、環境に優しい	施工方法によっては断熱ムラが発生する可能性
EPS断熱ボード（押出法ポリスチレンフォーム）	発泡プラスチック素材	軽量で施工性が高く、コストパフォーマンスに優れる	耐火性能がやや劣る

例えば、フェノールフォームは高い断熱性能を持つ一方でコストが高く、セルロースファイバーは環境に優れた素材で調湿性能に優れています。

コストパフォーマンスを重視するなら、EPS断熱ボード（押出法ポリスチレンフォーム）が適しています。どの断熱材を選ぶかで、家の快適性やランニングコストが変わるため、慎重な検討が必要です。

施工精度の確保

施工精度が低いと、外気が侵入してしまい、断熱性能が発揮されません。特に、断熱材の継ぎ目や固定方法に注意が必要です。

施工時には、防湿シートが適切に施工されているか、断熱材が設計通りの厚みで施工されているかを確認することが不可欠です。施工後の確認作業として、断熱性能の評価を行う第三者機関にチェックを依頼するのも一つの方法です。

結露対策

ダブル断熱は室内の温度を一定に保ちやすい一方で、外気との温度差が大きくなるため、結露が発生しやすくなります。

結露が発生すると、断熱材の劣化やカビの発生につながり、家の耐久性が大きく低下する可能性があります。

この問題を防ぐためには、壁内に通気層を確保し、湿気を外に逃がす仕組みを取り入れることが重要です。

結露対策をしっかり行うことで、ダブル断熱の効果を長期的に維持できます。

信頼できる施工業者の選定

通常の断熱工事と比較して、ダブル断熱はより高度な施工技術が求められます。

施工業者を選ぶ際には、過去の施工実績や顧客の評判を確認することが重要です。事前に施工事例を見学し、施工品質を直接確認することで、信頼できる業者かどうか判断しやすくなります。また、施工後の保証内容も確認し、トラブル発生時の対応がしっかりしているかを確認することも大切です。

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まとめ

この記事では、注文住宅におけるダブル断熱のメリット・デメリット、採用しているハウスメーカー、施工時の注意点について解説しました。

ダブル断熱の特性を理解し、自分の住む地域やライフスタイルに適した仕様を選ぶことで、後悔のない家づくりができます。

ダブル断熱を検討する際は、ハウスメーカーの比較や施工実績の確認が重要です。
信頼できる業者を選び、最適な断熱仕様を見極めながら、省エネで快適な住まいを実現しましょう。

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