みらいエコ住宅2026事業の条件と注意点 GX志向型住宅と長期優良住宅のどちらを選ぶべきか

2025年11月28日にみらいエコ住宅2026事業の内容が発表されましたが、条件が細かくて不安になりますよね。毎年ルールが変わるうえに、予算も限られているため「損をせずに受け取れるのか」が気になる方は多いと思います。

とくに昨年は、160万円の補助金（2025年GX）が7月に突然終了し、受け取れなかった人がたくさん出ました。この記憶があるからこそ「今年も早く終わるのでは」と心配になりますよね。

さらに、GX志向型住宅と長期優良住宅は名前が似ているのに条件がまったく違います。選び方を間違えると受け取れなくなるケースもあるので、最初に正しく理解しておきたいところです。

結論としては、条件と注意点を整理すれば、自分がどの補助金に向いているのかすぐに判断できます。必要な設備や地域ごとの基準も分かりやすく整理できます。

この記事を読むことで、みらいエコ住宅2026事業の「条件」「注意点」「どちらを選ぶべきか」がしっかり理解できます。補助金を取り逃さず、安心して家づくりの計画を立てられるようになります。

みらいエコ住宅2026事業とは何か

みらいエコ住宅2026事業は、省エネ性能の高い家づくりを応援する国の補助金制度です。

断熱性の高い家や太陽光発電の導入など、エネルギーをムダにしない家を広げるために作られました。

「ニュースを見たけれど、自分の家が対象なのかよく分からない…」
そんな不安を感じている方も多いですよね。

事業全体の予算は2,050億円で、規模としては大きいのですが、早い時期に予算が尽きる可能性はあります。2025年7月にGX補助金が突然終了した例もあるため、今年も油断はできません。

対象となるのは主に新築住宅（注文住宅・分譲住宅・賃貸）です。
※リフォームも対象になりますが、この記事では分かりやすくするため新築に絞って解説します。

住宅の広さは50〜240平米（約15〜72坪）が条件で、小さすぎる家や大きすぎる家は対象外です。また、補助金の対象になる着工日はとても重要で、2025年11月28日以降に基礎工事が始まった住宅だけが対象となります。

さらに、土地によっては対象外になる場合もあります。

• 土砂災害特別警戒区域
• 3m以上の浸水想定区域

これらは原則として補助対象外のため、土地購入前のチェックが必要です。

ここまでをまとめると、制度の全体像は次のとおりです。

• 省エネ性能の高い住宅を国が支援する制度
• 新築が中心（50〜240平米）
• 2025年11月28日以降の基礎着工が対象
• 一部の災害リスクがある土地は対象外
• 予算は2,050億円で、早期に終了する可能性あり

そして、この補助金は次の3つの区分に分かれており、

• GX志向型住宅
• 長期優良住宅
• ZEH水準住宅（ゼッチ）

いずれかの条件を満たすことで補助が受けられます。違いは次のセクションで詳しく解説していきます。

対象となる期間と対象エリア

みらいエコ住宅2026事業は、「いつ着工した住宅なのか」「どんな土地に建てるのか」で補助金の可否が大きく変わります。制度の条件は理解できても、結局“自分の家は対象なのか”が気になりますよね。

補助対象となる期間（ここが最重要）

今回の補助金で最も大切なのは、2025年11月28日以降に基礎工事が始まった住宅が対象という点です。

「基礎工事」とは、家の土台となるコンクリート部分の工事がスタートしたタイミングのことです。

具体的には、

• 基礎の掘削開始
• 配筋工事の開始
• ベースコンクリートの打設開始

こういった工程が「基礎着工」とみなされます。

この日付より前に工事が始まっている場合、みらいエコ住宅2026事業は申請できません。

ただし、住宅会社によって「基礎着工日の扱い」に微妙な違いがあるため、「基礎着工日として申請書類に記載される日を教えてください」と確認しておくと安全です。

今の補助金との併用不可

ここは誤解しやすいポイントです。

• 11月28日より前に基礎着工 → 子育てグリーン住宅支援事業（2025年度）
• 11月28日以降に基礎着工 → みらいエコ住宅2026事業

このように、補助金は明確に切り替わります。
しかも 2つの補助金は併用できません。

申請期限にも要注意（期限まで残らない可能性あり）

公式の申請期限は以下の通りです。

• GX志向型住宅 → 2026年12月31日まで
• ZEH水準住宅（絶知） → 2026年9月30日まで

ただし、ここで注意したいのは、期限まで予算が残るとは限らないという点です。

2025年のGX補助金（上限160万円）は、7月22日に予算が急終了しました。
今年も予算規模や条件は近いため、GX区分が先に終わる可能性が高いです。

対象エリア（全国対象だが例外あり）

住宅の場所によっては、補助対象外になります。

• 土砂災害特別警戒区域
• 3m以上の浸水想定区域

これらの土地では、住宅性能に関係なく補助対象外となる可能性があります。
土地をこれから探す方は、ハザードマップや不動産会社の説明で事前確認をしておきましょう。

地域区分（1〜7地域）による補助額の違い

GX志向型住宅では、住んでいる地域によって補助額が変わります。

• 1〜4地域（寒冷地） → 補助額は125万円
• 5〜7地域（温暖地域） → 補助額は110万円

地域によって断熱基準が違うため、この差額が設定されています。
詳しい内容は次の「3つの区分と補助額」で解説します。

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3つの区分と補助額の違い

みらいエコ住宅2026事業では、性能に応じて補助金額が変わる3つの区分があります。
「自分はどれを選べばお得なのか」が分かるように、まずは3つの特徴を整理しておきましょう。

※引用資料：国土交通省HP

地域区分（1〜7地域）って何？

補助額や断熱基準は「住んでいる地域の寒さ」によって変わります。

一般的には次のように分かれます。

地域区分	主なエリアの例
1〜3地域（寒冷地）	北海道・青森・岩手の一部など
4地域（やや寒冷地）	宮城・福島・新潟・長野など
5地域（温暖地）	関東内陸・東海の一部・中国地方など
6〜7地域（温暖地〜暖地）	関西・四国・九州の多く、沖縄など

寒い地域ほど断熱基準が厳しく、補助額が高くなります。

区分1：GX志向型住宅（補助額110〜125万円）

最も高性能で、補助額も最大の区分です。

ただし太陽光やHEMSの装備が必要になるため「手厚いぶん、準備も多い」と理解しておきましょう。

【補助額一覧】

地域区分	補助額
5〜7地域（温暖地）	110万円
1〜4地域（寒冷地）	125万円

【主な条件】

要件	内容
断熱等級6以上	・5〜7地域：UH 0.46以下 ・4地域：UH 0.34以下 ・1〜3地域：UH 0.28以下
一次エネ消費量	35％以上削減
太陽光（再エネ）	再エネを含む一次エネ消費量100％以上 ※緩和：寒冷地→75％以上、都市部→要件なしの場合あり
HEMS	導入が必須

【GXの特徴】

GX志向型住宅は“上級モデル”の位置づけです。

断熱性能が高く、太陽光をしっかり載せる必要があるため、エネルギー効率を重視する家庭に向いています。

区分2：長期優良住宅（補助額75〜100万円）

3つの区分の中でも、最も選ばれる“現実的でバランスの良い”タイプです。

【補助額一覧】

条件	補助額
通常	75万円
1〜4地域（寒冷地）	80万円
除却あり	95万円
除却＋1〜4地域	100万円

【主な条件】

要件	内容
断熱等級5以上	UH 0.60以下目安
一次エネ消費量	20％削減
太陽光・HEMS	不要
対象世帯	子育て世帯（18歳未満）／若者夫婦（どちらか39歳以下）

【長期優良の特徴】

太陽光が必須ではないため、初期コストを抑えつつ、しっかり性能を確保できます。

住宅ローン控除や固定資産税の優遇もあるため、長期目線のメリットが大きいのも特長です。

区分3：ZEH水準住宅（補助額35〜60万円）

長期優良と同じく断熱等級5以上が必要ですが、補助額は抑えめです。

「最低限でも補助が欲しい」という家庭に向いた区分です。

【補助額一覧】

条件	補助額
通常	35万円
1〜4地域	40万円
除却あり	55万円
除却＋1〜4地域	60万円

【主な条件】

要件	内容
断熱等級5以上	クリア必須
太陽光・HEMS	不要
対象世帯	子育て世帯／若者夫婦世帯

【注意点（見落としがち）】

以下の土地では対象外になります。

• 土砂災害警戒区域
• 浸水想定3m以上
• 市街化調整区域の一部

土地購入前の確認がとても重要です。

3区分の比較表

区分	補助額	断熱等級	太陽光	HEMS	対象世帯
GX志向型住宅	110〜125万円	6以上	必要量が多め	必須	全世帯
長期優良住宅	75〜100万円	5以上	不要	不要	子育て・若者夫婦
ZEH水準住宅	35〜60万円	5以上	不要	不要	子育て・若者夫婦

みらいエコ住宅2026事業は誰が対象？

みらいエコ住宅2026事業は、「どんな人でも申し込める制度」ではありません。
年齢や家族構成、建てる時期、土地、そして住宅性能まで、いくつかの条件をクリアする必要があります。

まずは、あなたが対象になるかどうかを 最短で判断できる“3ステップ” を見てみましょう。

まずは3ステップで対象かチェック

【STEP1：世帯条件】

• 子育て or 若者世帯？
  → 長期優良 / ZEHも選べる
• 子どもが大きい・40代以上？
  → GXのみ対象

【STEP2：着工時期】

• 2025年11月28日以降に基礎工事スタート？
  → YESなら対象の可能性あり

【STEP3：性能条件】

• 断熱等級5 or 6を満たせる？
• 太陽光を載せる？載せない？
  → 区分が決まる

対象となる世帯（区分ごとに異なります）

みらいエコ住宅2026事業では、補助金の区分ごとに「誰が対象か」が少し異なります。
とくに GX志向型住宅は全年齢が対象 ですが、長期優良住宅とZEH水準住宅には年齢条件があるため注意が必要です。

また、住宅性能だけでなく 建てる土地の条件で補助金が受けられないケース もあります。
家づくりを進めてから気付くと取り返しがつかないため、ここは必ず確認しておきたいポイントです。

GX志向型住宅

全年齢・すべての世帯が対象

GXは年齢条件がないため、40代・50代の子育てが終わった家庭でも利用できます。
ただし後述の通り、GXは性能基準が最も高いため、実質的には“設備をしっかり整える家庭向け”の区分です。

長期優良住宅・ZEH水準住宅

子育て世帯または若者夫婦世帯が対象

具体的には、次のどちらかに当てはまれば申請できます。

• 18歳未満の子どもがいる家庭
• 夫婦のどちらかが39歳以下

年齢だけで判断してしまいがちですが、実際は“子どもの年齢”が大きなポイントです。

世帯条件の一覧

区分	世帯条件
GX志向型住宅	すべての世帯が対象
長期優良住宅	子育て世帯（18歳未満）または若者夫婦世帯（夫婦のどちらかが39歳以下）
ZEH水準住宅	子育て世帯（18歳未満）または若者夫婦世帯（夫婦のどちらかが39歳以下）

土地の条件で補助対象外になるケース

国土交通省の資料では、以下のような土地に建てる住宅は 補助金の対象外 とされています。
これは GX・長期優良・ZEH、すべての区分に共通 です。

補助対象外になる可能性がある土地
土砂災害特別警戒区域（レッドゾーン）
急傾斜地崩壊危険区域・地すべり防止区域
浸水想定区域（洪水または高潮）で浸水3m以上
市街化調整区域のうち災害リスクが高い区域

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みらいエコ住宅2026事業の注意点

家づくりの計画に大きく関わる部分なので、ここは丁寧に確認しておくと安心です。
内容が少し複雑に感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば迷うことはありません。

1 基礎着工日は2025年11月28日以降

この事業は 「2025年11月28日以降」に基礎工事を始めた住宅 が対象です。

上棟日ではなく“基礎工事の開始日”なので注意してください。

すでに上棟済みの方は、場合によっては 旧制度（子育てグリーン住宅支援事業） が使える可能性があります。

2 GXと長期優良・ZEHは併用できない

3つの区分がありますが、受けられる補助金はどれか1つだけ です。

• GX志向型
• 長期優良住宅
• ZEH水準住宅

どれが自分に合うかは、年齢・地域・予算で大きく変わります。

3 申請期限と予算はセットで考える（ここ重要）

申請期限：2026年12月31日 と発表されています。

ただし、これはあくまで“制度上の期限”です。

実際には、予算が先に尽きたらその時点で終了 となります。

2025年度のGX補助金は7月22日の19時10分58秒で突然終了という前例があり、今回も同じ可能性があります。

4 長期優良住宅は“申請費用”に大きな差がある

長期優良住宅は性能基準が比較的クリアしやすく、人気も高いのですが、申請費用がメーカーによって大きく異なります。

• 安いメーカー：5万円前後
• 高いメーカー：60万円近く

補助金額だけで判断せず、“手続き費用も含めた実質のメリット”を比較するのがおすすめです。

5 土地条件で対象外になる可能性がある

国交省の資料にも明記されていますが、以下の土地は補助対象外になります。

対象外の可能性がある土地	理由のイメージ
土砂災害警戒区域（イエロー）	安全性の観点
浸水想定3m以上	水害リスクが高い
市街化調整区域の一部	住宅建築の制限がある

土地をまだ決めていない人は、購入前に該当しないか必ずチェックしておきましょう。

6 ハウスメーカーの工期で“狙える補助金”が変わる

着工までの期間はメーカーによって大きく異なります。

• 大手（トヨタホーム・積水ハウスなど）：工期が早い
  → GXも狙いやすい
• 工務店（一条工務店など）：契約から着工まで1年かかることも
  → 来年以降の補助金になる可能性あり

「すぐ動けばGX」「ゆっくり進めるなら長期優良」というケースも多いです。

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申請の流れとスケジュール

みらいエコ住宅2026事業は、手続き自体は住宅会社が代行してくれるため難しくありません。
ただし 申請のタイミングが遅れると、予算終了で申し込みできない こともあります。

ここでは「いつ、何をすれば間に合うのか」を分かりやすく整理します。

【ステップ0】まず“自分がどの段階にいるか”を判断

今のあなたがどのフェーズにいるかで、必要な準備が変わります。

あなたの状況	今やるべきこと
これから家づくりを始める	補助金が狙える仕様かを先に確認
メーカーと打ち合わせ中	図面と性能を早めに確定
契約済・着工前	基礎着工日が対象になるか確認
すでに基礎着工	住宅会社へ申請準備の依頼

【ステップ1】補助金の対象になるか事前チェック（最重要）

最初に、あなたの計画が条件に当てはまるか確認します。

• 基礎着工日：2025年11月28日以降
• 狙う補助金（GX・長期優良・ZEH）を1つ選ぶ
• 年齢条件（長期優良・ZEHの場合）
• 性能条件（断熱・一次エネルギーなど）
• 太陽光・HEMSの有無
• 土地の条件

住宅会社との打ち合わせ初期に「うちの家はどの補助金が狙えますか？」と聞くのが最も確実です。

【ステップ2】図面・仕様の確定（補助金の基準を満たす設計に）

補助金の条件に合わせて、住宅会社が性能値や設備をチェックします。

【必要になる情報の例】

• 断熱性能（UH値）
• 一次エネルギー消費量の削減率
• 太陽光パネルのkW数（GX）
• HEMSの型番（GX）

【ステップ3】基礎着工（ここで対象が確定）

基礎工事の開始日＝補助金の対象になります。

• 上棟日ではない
• 必ず着工日を記録してもらう
• 11月28日より前に着工すると対象外

【ステップ4】申請受付スタート（2026年3〜4月ごろ）

事務局の準備が整い次第、2026年春に申請受付がスタートする見込みです。

これは 1回目の申請（交付申請） にあたります。

【受付前にやっておくべきこと】

• 必要書類の事前準備をメーカーへ依頼
• 性能証明・太陽光の容量などの確定
• 申請費（特に長期優良は5〜60万円）を事前確認

【ステップ5】住宅会社が代理で申請（交付申請）

あなたが難しい書類を書く必要はありません。
住宅会社がまとめて行います。

【提出書類の例】

• 図面
• 性能証明書
• 断熱性能の根拠
• 太陽光・HEMSの型番（GX）

【ステップ6】工事完了後の“完了報告”（2回目の申請）

申請は 2段階 あります。

1. 交付申請（着工後〜受付開始）
2. 完了実績報告（工事完了後）

ここを知らないと「まだ手続きあるの？」と驚く人が多いです。

完了報告の締切

• ZEH水準住宅：2026年9月30日
• GX：2026年12月31日
• 長期優良：GXと同様に12月末が基本

工事の進み具合によっては「ZEHの9月末に間に合わない」というケースもあり得ます。

【ステップ7】予算の早期終了に注意（最大の落とし穴）

制度上の期限よりも恐ろしいのが “予算切れ” です。

前年度のGX補助金は7月22日の19時10分58秒に突然終了。

今回も同じ状況になる可能性があります。

【予算終了の傾向】

• GX…最も早い可能性
• 長期優良…比較的ゆとりあり
• ZEH…長期優良とほぼ同じ傾向

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みらいエコ住宅2026事業を確実に受け取るためのポイント

みらいエコ住宅2026事業を確実に受け取るために、重要なポイントを改めて整理します。

今回の内容を押さえておけば、補助金の取りこぼしを防ぎながら安心して家づくりを進められます。
補助金は期限よりも早く終了する可能性があるため、「早めの情報整理」と「住宅会社への共有」がとても大切です。

あなたの家づくりが後悔なく進むよう、今回のポイントをぜひ役立ててください。

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